1. SUSHI JOBトップ
  2. ブログ一覧
  3. 食事制限(food restrictions)シリーズ④宗教と食

食事制限(food restrictions)シリーズ④宗教と食

世の中には、様々な理由で特定の食べ物を口にしない、出来ない人々が存在します。私達フードビジネスに関わる者は、このテーマに関心を持ち理解した上で対応を決める必要があります。

このシリーズでは体質、宗教、信念、あるいは美容や健康のために特定の食べ物を摂取しないグループを取り上げていきたいと思います。

食が制限される大きな理由の一つに宗教によるものがあります。ここでは宗教によってタブーになっているものを紹介します。

イスラム教

イスラム教
現在世界人口の4人に1人はイスラム教徒(=ムスリム)です。中東・北アフリカからはじまり今や世界中に広がっており、ムスリム人口が多い国は1位インドネシア、2位パキスタン、3位インド、4位バングラディッシュ、5位エジプトとなっています。欧米でも移民によってムスリムの人口が拡大しており、イギリスではすでにキリスト教に次ぐ教徒数を有しています。

イスラム教の戒律を守った食事とは

豚肉とアルコールはNG
ワインや日本酒・みりんを使った料理、豚肉のエキスの入った調味料や加工食品、豚肉を揚げた同じ油で調理した野菜などもNGです。

豚以外の肉はOK(例外あり)
イスラム教のルールに従って屠殺した肉ならOK。イスラム教の戒律に則って処理された肉、清められた食品は【ハラールフード】と呼ばれます。ムスリムは【ハラール認証】を受けた店で安心して食事をしたり、食料品を購入することが出来ます。

どこまで厳しく律するかは個人差があり、例えばアルコールの濃度は一定以下ならOKとするムスリムもいます。

ヒンドゥー教

ヒンドゥー教
ヒンドゥー教は、もっとも古い宗教の1つで世界でキリスト教、イスラム教に続いて3番目に大きい宗教であり、主にインドとネパールで信仰されています。

ヒンドゥー教のタブー食
牛を「聖なるもの」としているので牛肉は食べません。豚も、ムスリム同様「不浄なもの」として食べない人が多いです。戒律を理由として上位カーストの者は殺生を避けたいので牛豚以外の肉や魚も食べない菜食主義者が多いです。


ユダヤ教

ユダヤ教
古代の中近東ではじまったユダヤ人の宗教。ユダヤ人の定義はやや複雑で、ユダヤ人だけでなくユダヤ教に改宗した者も国籍に関係なくユダヤ人になれます。また、ユダヤ人だからといってユダヤ教徒かと言うと、近年では必ずしもそうとは言えないようです。ユダヤ教徒が多い国はイスラエルとアメリカです。

ユダヤ教の食事規定「コーシェル」
ユダヤ教では食べて良い物といけない物を定めており、この規定の事を「カシュルート」と呼びます。食べて良い物は「コーシェル」と呼びます。

カシュルートによれば、食べて良い動物は草食動物で割れた蹄と反芻することが条件です。牛や鶏、羊や山羊は食べて良くて、豚は蹄は割れているけれど反芻しないのでだめです。また、海産物ではひれと鱗のない物は食べてはいけないので、鰻やエビなどの甲殻類、貝類、イカやタコなどもNGです。

また、肉と乳製品を一緒に食べるのもNGです。どちらかを食べたら、もう片方を食べるまで数時間はおかなくてはなりません。チーズバーガーやラザニア、サラミのピザなどはNGです。ステーキの後にアイスを食べることも出来ません。キッチンでは乳製品と肉用に洗い場が別れており、調理器具もそれぞれに用意しないといけないそうです。

お寿司に関してはほとんどの宗教において食すことが出来るという事で、規律の厳しい教徒であっても来日時にお寿司屋さんを訪れることも多いようです。ただし、タブー食の接触がない事や調理器具の洗浄など、気をつけなければならない点がありますので、どこまで対応するか取り決めをしておき、トラブルにならないよう前もって確認することが必要になります。

海外の日本食店のまかない作りは悩みが尽きない

海外の日本食店のまかない作りは悩みが尽きない
海外のフードビジネスにおいて、食事制限に関するリクエストは非常に多いですし、国内でも今後増えていくでしょう。また、スタッフも国際色豊かです。筆者はポルトガルで日本食レストランの経営をしていたことがあります。

そこでは乳製品アレルギー&肉食べない主義ウェイトレス、甲殻類アレルギーウェイター、ヒンドゥー教のため牛肉食べない洗い場担当、ムスリムのため豚肉食べない料理人、そして健康オタクで加工食品を一切食べない料理人が一緒に働いていました。

まかないを作ると誰かが食べられない、といううっかりを何回か繰り広げ急遽3分クッキングでその人用に別の食事を用意するということもありました。あまりそういった制限をもたない一般的な日本人からすると「面倒くさい、、、」と思う人もいるかと思いますが、食事は大事なリラックスタイムであり、なるべく全員が安心して過ごせるよう努めたいですね。

食物アレルギーと食物不耐性ついて
グルテンフリーについて
ベジタリアン・ヴィーガンついて